古くから我が国では10月を神無月(かんなづき)と言います。これは10月に日本中の神様が、出雲の国(現在の島根県)に集まり会議を開き、他の国には神様が居なくなってしまうことからそう呼ばれてきました。神様の集まる出雲の国では反対に10月は神在月(かみありづき)と呼ばれています。この会議は旧暦の10月11日から17日までの間、出雲大社で開かれ、その後、佐太神社に移動し26日まで会議の続きを行います。その期間に出雲大社と佐太神社では神在祭が行われます。 この神様の会議が行われるようになったのは大国主神が日本の国土を開発した神様でその時自分の息子や娘を各地に配置し、その地を管理させたことに由来します。子供たちは年に1度出雲の国に戻り、父親である大国主神にその年の出来事を報告し、来年の予定を打ち合わせするようになったのです。後に大国主神系以外の天照大神系の神様も出雲へ来るようになりました。 大国主神は天照大神に日本の支配権を譲ったとき、代わりに幽界の支配権を得たと言われています。物質的な物事については天照大神とその子孫である天皇家が管理しますが、精神的な物事については大国主神とその子孫が管理します。そこでこの会議では一般的に人の運命について話し合われます。なかでも誰と誰を結婚させるかなどと言うことをこの会議では議題に上ります。遠く離れた見知らぬ同士が知り合い結婚するようなケースはこの会議の結果からかもしれません。そのため、出雲大社は縁結びの神様としても信仰されています。
※ミニ知識より |