梅雨の季節、一際美しいのが「アジサイ」です。アジサイはユキノシタ科の落葉低木で、わが国の海岸に自生するガクアジサイから日本で改良された園芸品種。主に、鑑賞用として庭木や鉢植えにされます。半日陰で湿り気のある肥沃土を好み、用土の酸度によって花の色が変化します。酸性土では青味がかかり、アルカリ土では赤味が強くなるのです。咲き始めから落花まで花色が変化することから「七変化」とも呼ばれ、花言葉は「移り気、冷淡」です。 アジサイの名は、真青の花が集って咲く姿から、集めるの「あづ」に真青を意味する「さあい(真藍)」の「アヅサアイ(集真藍)」が変化して「アジサイ」となったといわれているそうです。 庭木としては、日本から西洋に渡り品種改良されたセイヨウアジサイが多く見られますが日本に多くの種類が自生する、古来から日本人になじみ深い植物です。世界には約30種のアジサイがアジアと南北アメリカに分布していますが、そのうち12種ものアジサイが日本に自生しています。まさに日本の花、アジサイ。 最近ではセイヨウアジサイの中でも鉢物として出回っているものを「ハイドランジア」と呼んだりしていますね。ハイドランジアはアジサイの学名からきています。 アジサイを西洋に紹介した人物として有名なのは、かのシーボルトです。彼が記した『FLora Japonica(日本植物誌)』には、手まり型のアジサイの花が「Hydrangea Otaksa」として紹介されています。この「Otaksa」は、シーボルトが日本の愛人「お滝さん」を想い彼女の呼び名を名付けたとされています。シーボルトにとってもアジサイはひときわ愛着のある、日本の花だったのでしょうね…。 この時期には日本の各地でアジサイ祭りが開催されます。梅雨のじめじめとした気分をきれいなアジサイで癒す旅に出てみるのも梅雨の過ごし方ですね。
※ミニ知識より |