昔は正月や節分前の風物詩として、あちらこちらで見られた餅つきも、最近ではほとんど見られないようになりました。売っている丸餅や角餅しか見たことのない子供たちも多いのではないでしょうか。 昔より正月を迎える大切な段取りのひとつが餅つきでした。餅つきは12月28日にするものです。29日は「苦」に通じると言って避けられ、そうした縁起をかつぐ人は「ろくなことがない」と26日も避けました。 もち米は蒸す前に8時間から12時間程度水につけておきます。このもち米を蒸し器で蒸し、蒸し上がったものから臼に移してついていきます。 臼には木製のもの、石製のものなどいろいろあります。また、形もいろいろなものがあります。地域の暮らしや用途の中で、素材や形が作り上げられました。木製の臼は大木を輪切りにしたものをくりぬいて作ります。 杵は木の柄に円柱状の木をとりつけて、振り上げて叩くものと、長い一本棒に握り部分をつくって突き潰すものがあります。 最初のひと臼は歳神様に捧げてお供えする「鏡餅」になります。 このように、餅つきは、家族が集まり家の中でゆっくりと過ごす、歳末と年始の始まりを告げる楽しい行事です。
※ミニ知識より |