秋も深まって来ました。芸術の秋ですね。芸術の秋にちなんでご自身で陶芸をしてみませんか? 陶芸の楽しみはこの世にたった一つしかない焼き物をあなた自身の手で作り上げることでしょう。 土選びから始まり釉薬の掛け方、窯での焼成方法により、思っても見なかった作品との出合いの感動、時を忘れる癒し、出来上がった器を使用する・・・・、陶芸ならではの楽しみです。
ところで日本は各地に焼き物の産地があります。以下の6市町村は「日本六古窯」といわれ、いずれも千年以上の歴史がある焼き物の里です。 カメラ片手に焼き物の里を散策するのもまた芸術の秋の楽しみですね。
◆信楽焼(滋賀県信楽町) 1250年の伝統を誇る日本最古の産地です。国により昭和51年伝統的工芸品として指定され、信楽は陶器の町として全国に知られています。中でも陶芸ファンに人気が高いのがタヌキの焼き物です。今日では、酒買い小僧スタイルを基本としてあらゆる形、寸法、あらゆる用途にも、タヌキが使われ、信楽焼の代名詞とも言われています。
◆瀬戸焼(愛知県瀬戸市) 瀬戸という地名は「陶所」つまり「すえと」が転じて「瀬戸」になった名だといわれています。瀬戸焼は、良質な陶土に恵まれ一千年以上も昔から今日まで続いている瀬戸の焼きものです。東の瀬戸物、西の唐津物、というように「瀬戸物」は陶磁器の代名詞ともなり広くその名を知られています。
◆常滑焼 (愛知県常滑市) 常滑焼は愛知県知多半島一帯で焼かれており、日本六古窯の中で最も規模が大きく、時代も古いと伝えられています。古常滑焼とも言われる常滑焼は、仏教のお経を書いたものを入れて地中に埋め、ご利益を願うための経塚壺(きょうづかつぼ)が作られていました。現在でも食器、鉢などの日用雑器から、土管、タイルなどの工業製品に至るまで幅広く焼かれています。特徴は原料に含まれている鉄分を赤く発色させる点です。
◆丹波焼 (兵庫県篠山市) 丹波焼は平安末期に誕生した、約800年の歴史をもつ焼物です。土の温もりが感じられる素朴な風合いの丹波焼は、焼き締めのかめや壺、徳利などの日常雑器が主に焼かれてきました。中でも丹波焼の徳利は有名です。徳利を作っている窯場は全国に多くありますが種類の多さでは丹波焼が日本一です。
◆越前焼 (福井県宮崎村) 越前焼は地味だが手にとってみると重量感があり、健康な素朴さがあります。地元の田の底にある「青ねば」「赤べと」「太古土」という陶土を主にまぜて陶器用の粘土を作り形を作ります。越前独特のひも状の粘土を底の縁に巻き上げる「ねじ立て成形」も、今なお受け継がれています。鯖江市、武生市から越前海岸に向かう途中の宮崎村、織田町を中心に窯があります。宮崎村には越前陶芸村があり窯元もこの辺りに集中しています。
◆備前焼 (岡山県備前市) 備前役は釉薬は一切使用せず、絵付もしないのが特徴で、土の形を整えただ焼くだけです。無愛想ともとれるその容姿とは裏腹に限りない魅力を放っています。備前焼の持つ自然らしさ、「侘び」「寂」の「桃山の美意識」を感じさせてくれます。「備前焼は鑑賞陶器にとどまらず日常生活にもっと使って良さを知る」とは北大路魯山人のことばです。
※情報元:ミニ知識より |