熱中症は、まだ体が熱さに慣れていない6月から残暑の厳しい9月まで要注意です。重症化すると命の危険がありますが、適切な予防をすれば防ぐことができます。熱中症の予防法などを理解し、これからの夏本番を健康に過ごしましょう。
また5月に発表された気象庁の3カ月予報でも、関東甲信の6月から8月(夏期)の気温は、平年並みかそれ以上に高くなると予想されています。節電への意識が高まっている中ですが、気温や湿度が高い日には無理をせず、適度に扇風機やエアコンを使用して暑さを避けることも大切です。
◆熱中症の段階的な症状と処置
【症状1】 目まい・立ちくらみ・大量の汗・だるさ・筋肉痛・震え (涼しい場所へ移動し、衣服を緩めて水分と塩分を補給する)
【症状2】 頭痛・吐き気・嘔吐(おうと)・だるさ (涼しい場所で横になり休む。水分と塩分を補給し、頭などに氷のうや 濡れタオルを当てて、うちわなどであおぐ。病院へ)
【症状3】 呼び掛けても返事がおかしい・立てない・足がふらつく (水や氷で太い血管のある脇の下や首、大腿部の付け根を冷やす。 すぐに病院へ)
■水分・塩分を小まめに補給する
高齢者は暑さや水分不足に対する感覚機能と調整機能が低下しており、熱中症になりやすいので特に注意が必要です。のどの渇きを感じなくても、小まめに水分・塩分の補給をするようにしてください。 また、幼児は汗腺をはじめとした体温調節機能が十分発達していません。さらに、幼児は身長が低いので、大人よりもアスファルトの照り返しの影響を大きく受けます。気温が高い日に外出する時は、お子さんをよく観察し、水分を小まめに補給してあげてください。
■室内環境を整える
熱中症は炎天下で起こると考えられがちですが、高温多湿な環境下では室内でも起こります。暑い日には無理をせず、扇風機やエアコンなどを使って室内の温度調整をしてください。その他、小まめな換気、遮光カーテン、すだれ、打ち水なども有効です。
在宅医療で一人暮らしの高齢者宅へ訪問すると、雨戸が閉め切られ、室内が高温多湿になっていることがあります。暑さによる不快感を自覚しにくい高齢者には、周囲の方が声を掛けて、室温調節や服装などの気配りをすることが大切です。
■外出時の対策
今年は特に、朝・夕は涼しく、昼は真夏日といった寒暖の差がある日が多く見受けられます。外出時には、日傘や帽子の着用、日陰の利用、小まめな休憩、通気性の良い、吸湿・速乾の衣服着用などの対策をしてください。また、体調に合わせ、衣服を着替えたり、小まめな体温測定をし、熱中症にならない環境づくりを習慣づけてください。
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