今冬、感染性胃腸炎が流行しています。ノロウイルスの感染による胃や腸の 炎症が多く、決定的な治療法がないので、予防策が重要です。
何度も感染し、抵抗力が弱い人は長引くこともあります。感染しないために しっかり予防し、衛生管理に努めましょう。
◆過去5年で最多
全国的に流行が報じられ、先日関西で死者も出したノロウイルスですが、市域を含む竜ケ崎保健所管内でも患者の報告件数が増えており、第47週(11月19日から25日)では、平成22年の2倍に達するなど、過去5年で最多となっています。(県保健予防課・感染症情報センターホームページより)
ノロウイルスは大規模な流行になりやすく、県内では11月に入って30人以上 の集団感染報告がすでに2件寄せられています(県保健予防課・感染症情報センター ホームページより)。
◆手洗い・うがい予防が重要
ノロウイルスは感染力が強く、口から体内に入り感染します。ワクチンや治療法がないので、感染を予防することが大切です(下記参照)。食品から感染する以外にも、ウイルスが付いた自分の手指を介して感染することがあります。
感染予防の基本は、手洗い・うがいです。この基本はインフルエンザなどさまざまな感染症にも有効です。外出後・調理前・食事前・トイレ後などには、『液体(薬用)せっけんで30秒以上入念に手を洗う』習慣を身に付けて、感染から身を守りましょう。
◆感染が疑われたら相談を
感染してから発症するまでの時間は、約12時間から48時間です。感染しても 症状が出ないことや、軽い風邪の症状で収まる場合もあります。主な症状は、吐き気・おう吐・下痢・腹痛です。これらの症状が1から2日続いて治りますが、子どもやお年寄りなど抵抗力が弱い人は、症状が重くなったり長期化することがあります。感染が疑われる場合は、保健所やかかりつけの医師に相談しましょう。
また、おう吐や下痢によって脱水症状になることもあります。水分の適切補給にも気を配りましょう。
症状が消えても、ウイルスはふん便と共に排せつされ、その期間は長い人で 1カ月近くになります。二次感染の原因になり得ますので十分な注意が必要 です。
◆二次感染を防ごう
学校や施設で感染した家族が、家庭内にウイルスを持ち帰り、二次感染して しまうケースが見られます。清掃・消毒などの衛生管理(下記参照)や手洗い励行などで二次感染の危険を減らすことが期待できます。
おう吐物処理時は十分換気し、拭き取ったペーパータオルなどはすぐ密閉 して捨てます。汚れた衣類は、消毒してから他のものと分けて洗濯しましょう。下痢をしている人の入浴は、他の人との混浴を避け、最後に入るようにしましょう。
■◇■ノロウイルス感染予防のポイント■◇■
◆◆手洗い◆◆
●とにかくせっけん(液体せっけんが好ましい)で洗い流す ●洗うタイミングは、 ▼トイレに行った後 ▼患者のおう吐物・便の処理後 ▼食事・調理の前 ●汚れの残りやすいところを丁寧に ▼指先・指の間・爪の間 ▼親指の周り ▼手首
◆◆消毒◆◆
アルコール消毒の効果が認められていません。塩素や熱による消毒が有効です。
▼塩素消毒 調理器具などは、洗剤で十分に洗い流し、塩素濃度0.02%の次亜塩素酸ナトリウムで浸しながら拭く ▼熱湯・蒸気消毒二枚貝などの調理や食器などの消毒は、85度以上1分以上
◆◆健康管理◆◆
▼普段から感染しないよう、食べ物や家族の健康状態に注意する ▼患者のふん便やおう吐物を処理するときは使い捨て手袋を使いマスク・エプロンを着用する。処理後は手洗いを徹底する ▼感染が疑われるときは医師の診察を ▼症状があるときは食品を扱わない
■◇■清掃消毒で二次感染を防ぐ■◇■
家庭は小さな集団です。感染した家族のトイレ・おう吐物を十分注意して処理したり、トイレの定期的な清掃消毒に努めれば、二次感染を防ぐことにつながります。
◆◆トイレの床、便器、汚物槽◆◆
〈おう吐・下痢発生時の消毒〉 ●0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒 ●10分放置 ●水拭きまたは水で流す
〈定期清掃時の消毒〉 ●0.02%次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒 ●10分放置 ●水拭き、または水で流す
◆◆ドアノブ、トイレレバー、水道蛇口、履物、スイッチ◆◆
〈おう吐・下痢発生時の消毒〉 ●0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液をペーパーに吹き付けて拭く ●10分放置 ●水拭きまたは水で流す
〈定期清掃時の消毒〉 ●0.02%次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒 ●10分放置 ●水拭き、または水で流す
◆◆オマル使用後◆◆
〈おう吐・下痢発生時の消毒〉 ●0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液をペーパーに吹き付けて拭く ●10分放置 ●水拭きまたは水で流す ●日光消毒
〈定期清掃時の消毒〉 ●0.02%次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒 ●10分放置 ●水拭き、または水で流す
水2リットルに対し、市販の漂白剤(6%濃度)でも約7ミリリットルで0.02%の消毒液、約33ミリリットルで0.1%の消毒液が作れます。「使用上の注意」をよく確認しましょう。
〈問い合わせ先〉竜ケ崎保健所衛生課 電話0297-62-2163
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