今年の龍ケ崎商業祭り「いがっぺ市」でも、「東京銀座木村屋総本店」の酒種あんぱんを販売します! 毎年大人気のこの木村屋のあんぱん、実は龍ケ崎と意外な関係があるのをご存知ですか?
■「あんぱん」生みの親は龍ヶ崎市出身 あんぱんは明治維新後に生まれた「文明開化」の味の一つで、考案者は木村安兵衛。後の木村屋総本店創始者です。 江戸末期、安兵衛は現在の牛久市に生まれます。27歳ごろに川原代村(現龍ケ崎市川原代町)の農家・木村家に婿入りし、しばらくは農業を営んでいましたが、牛久沼や小貝川の度重なる氾濫で農地は荒れてしまいます。そこで家を長男に譲り、妻・次男・三男と2人の娘を連れ江戸へ。名字帯刀を許される家柄だった木村家の本家を頼り、紀州家のお蔵番や市中警備などの任にあたりました。 やがて明治維新が起こります。維新により職を失った武士や武士に雇われていた人たちなどが江戸に溢れました。下級武士の家来という身分だった安兵衛も失業してしまい、ならば手に職をと入所した東京府授産所(職業訓練所)でパン作りに出会います。安兵衛50歳、これが大きな転機となりました。
■親子2人で「あんぱん」に挑む 西洋の味・パンを世に広めようと、安兵衛と次男・英三郎はパン作りに没頭します。日本人好みのパンを作ろう。まんじゅうのようにあんをいれたらどうか│パン屋を営む傍ら、あんぱん作りに取り組みます。 当時のパンはホップを利用してふくらませていました。しかしホップは入手が難しく、ビールのような香りが日本人に不評でした。試行錯誤の末、2人はこうじを混ぜた生地であんをくるみ、焼いてみることに。そして焼き上がったのは、ほのかに日本酒の香りのするやわらかなパン。こうして「酒種あんぱん」が誕生しました。
■今年も「あんぱん」が里帰り 大評判となったあんぱんは、山岡鉄舟の勧めで明治天皇陛下に召し上がっていただくことになります。せっかく召し上がっていただくならば記念となるあんぱんをと思い立ち、桜の塩漬けを中央に埋め込み焼き上げました。現在の「桜あんぱん」の誕生です。このあんぱんを両陛下が大変お気に召し、 以降皇室御用達となったのです。 酒種を使ったあんぱんは現在に至るまで、安兵衛・英三郎の編み出した製法を頑なに守りながら、木村屋の職人により手間暇かけて作られています。 普段は直営店やウェブサイトでしか購入できない酒種あんぱんですが、今年も龍ケ崎に里帰り。11月23日(金・祝)の商業祭り「いがっぺ市」に出品します。元祖あんぱんの味をぜひご賞味ください。 |