昭和31年の「経済白書」の終わりには、「もはや戦後ではない」と書かれ、この言葉は流行語ともなりました。敗戦の痛手から10年を経て、日本の 経済は戦前の水準を回復しました。戦後復興を成し遂げた日本は、高度経済成長期に入ろうとしていました。
今回は、活気にあふれた30年代の取手の雰囲気を伝える写真を紹介します。
写真1と2は、取手二高の文化祭(秋祭り)の出し物の仮装行列です。 撮影年月日は確定できませんが、30年代の初めごろと考えられます。クラスごとに趣向を凝らした仮装行列は、校内を出発して大勢の観客が待ち構える中、町内を練り歩きました。背景に写っている町並みも懐かしく、当時の 人々の熱気も伝わってくるようです。写真は「美女と野獣」ではないかと思いますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。
写真3は、同じころの小堀(おおほり)の渡船です。まだ木造船の時代で、 船首部分の客室はすでに満員、屋根や甲板も人や荷物や自転車でいっぱい です。小堀の渡船が、人々の日常の足として、現在よりもはるかに利用され ていた様子が、しのばれます。
今回紹介した写真は、埋蔵文化財センターで9月21日まで開催の企画展 「昔の暮らし・古い道具」で展示しています。取手二高の仮装行列の写真は 全部で9点(「坊ちゃん」、「不思議の国のアリス」、「七福神」など)、 他にも懐かしの30年代の写真を展示して、皆さんのご来館を、お待ちして います。
※紙面では文中の写真3点を掲載しています
〈問い合わせ先〉 取手市埋蔵文化財センター 電話0297-73-2010
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